このセクションでは、コメントの表示と作成の機能を実装します。
ユーザのインタラクティブ性を向上するために、入力欄への入力が確定するたびにエラー表示をします。いわゆるクライアントサイドの入力検証(client-side input validation)です。これを Yii で行う方法を説明します。シームレスそして極めて簡単にできます。この機能は Yii バージョン 1.1.1 以降でサポートされていることに注意して下さい。
コメントの表示・作成に個別のページを使う代わりに、記事の詳細ページ (PostController
の view
アクションで生成される) を使います。記事内容の表示の下に、まず、その記事に属するコメントをリスト表示し、次にコメントの投稿フォームを表示します。
記事の詳細ページにコメントを表示するため、ビュースクリプト /wwwroot/blog/protected/views/post/view.php
を以下のように修正します。
... ここに記事の表示 ... <div id="comments"> if($model->commentCount>=1): <h3> echo $model->commentCount . '個のコメント'; </h3> $this->renderPartial('_comments',array( 'post'=>$model, 'comments'=>$model->comments, )); endif; </div>
上の例では、現在の記事に属するコメント一覧を表示するために、_comments
という部分的ビューを指定して renderPartial()
を呼んでいます。ビューで $model->comments
という式を使って記事に属するコメントを取得していることに注目して下さい。この式が使える理由は Post
クラスで comments
リレーションを宣言しているからです。この式が評価されると、暗黙的にデータベースの JOIN クエリーが発行され、適切なコメントが返されます。この機能は 遅延リレーショナルクエリ として知られています。
部分的ビュー (partial view) の _comments
はあまり興味深いものではありません。コメントを一つ一つ取り扱い、コメントの詳細を表示します。興味のある方は /wwwroot/yii/demos/blog/protected/views/post/_comments.php
を参照してください。
コメントの作成を扱うために、PostController
の actionView()
メソッドを以下のように修正します。
public function actionView()
{
$post=$this->loadModel();
$comment=$this->newComment($post);
$this->render('view',array(
'model'=>$post,
'comment'=>$comment,
));
}
protected function newComment($post)
{
$comment=new Comment;
if(isset($_POST['Comment']))
{
$comment->attributes=$_POST['Comment'];
if($post->addComment($comment))
{
if($comment->status==Comment::STATUS_PENDING)
Yii::app()->user->setFlash('commentSubmitted','コメント、有難うございます。コメントは承認後に投稿されます。');
$this->refresh();
}
}
return $comment;
}
それから Post
モデルクラスを修正して、addComment()
メソッドを以下のように追加します。
public function addComment($comment)
{
if(Yii::app()->params['commentNeedApproval'])
$comment->status=Comment::STATUS_PENDING;
else
$comment->status=Comment::STATUS_APPROVED;
$comment->post_id=$this->id;
return $comment->save();
}
上記コードでは、view
を表示する前に newComment()
メソッドを呼んでいます。newComment()
メソッドでは、Comment
インスタンスを生成し、コメントフォームが送信されたかどうかをチェックします。もし送信されていた場合、$post->addComment($comment)
を呼んで記事にコメントを追加しようとします。問題なく進んだら記事の詳細ページをリフレッシュします。再表示されたページには、コメント承認制でなければ、新しく投稿されたコメントが表示されます。表示前にコメントの承認が必要な場合は、フラッシュメッセージを使って、承認が必要であることをユーザに示します。フラッシュメッセージは大抵、エンドユーザに確認メッセージを見せるものです。ユーザがブラウザの再読み込みボタンをクリックしたら、メッセージは消えます。
さらに /wwwroot/blog/protected/views/post/view.php
を修正します。
...... <div id="comments"> ...... <h3>コメントする</h3> if(Yii::app()->user->hasFlash('commentSubmitted')): <div class="flash-success"> echo Yii::app()->user->getFlash('commentSubmitted'); </div> else: $this->renderPartial('/comment/_form',array( 'model'=>$comment, )); endif; </div><!-- comments -->
上記コードでは、フラッシュメッセージがあれば、そのメッセージを表示します。もし無ければ、部分的ビュー /wwwroot/blog/protected/views/comment/_form.php
を使ってコメント入力フォームを表示します。
ユーザエクスペリエンスを向上させるために、AJAX ベースのフォームフィールド検証を使うことが出来ます。AJAX ベースの検証によって、ユーザはフォーム項目に入力をするたびに検証のフィードバックを得ることが出来ます。すなわち、フォーム全体をサーバに送信する前に、検証のフィードバックが得られます。コメントの入力フォームに AJAX ベースの検証をサポートするために、コメントフォームのビュー /wwwroot/blog/protected/views/comment/_form.php
と newComment()
メソッドの両方に小さな変更を加える必要があります。
_form.php
では、CActiveForm ウィジェットを作成するときに、CActiveForm::enableAjaxValidation を true に設定します。
<div class="form"> $form=$this->beginWidget('CActiveForm', array( 'id'=>'comment-form', 'enableAjaxValidation'=>true, )); ...... $this->endWidget(); </div><!-- form -->
そして、newComment()
メソッドにおいて、AJAX 検証のリクエストに応答するためのコードを追加します。このコードは ajax
という名前の POST
変数があるかどうかチェックします。もしあれば、CActiveForm::validate を呼んで検証結果を表示します。
protected function newComment($post)
{
$comment=new Comment;
if(isset($_POST['ajax']) && $_POST['ajax']==='comment-form')
{
echo CActiveForm::validate($comment);
Yii::app()->end();
}
if(isset($_POST['Comment']))
{
$comment->attributes=$_POST['Comment'];
if($post->addComment($comment))
{
if($comment->status==Comment::STATUS_PENDING)
Yii::app()->user->setFlash('commentSubmitted','コメント、有難うございます。コメントは承認後に投稿されます。');
$this->refresh();
}
}
return $comment;
}
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