一つのページに表示するにはデータの数が多すぎるという場合に、データを複数のページに分割して、それぞれのページでは一部分だけを表示する、 という戦略がよく使われます。この戦略が ページネーション として知られるものです。
Yii は yii\data\Pagination オブジェクトを使って、ページネーションのスキームに関する情報を表します。具体的に言えば、
これらの情報を全て定義した yii\data\Pagination オブジェクトを使って、データの一部分を取得して表示することが出来ます。
例えば、データ・プロバイダからデータを取得する場合であれば、ページネーションによって提供される値によって、それに対応する
OFFSET
と LIMIT
の句を DB クエリに指定することが出来ます。下記に例を挙げます。
use yii\data\Pagination;
// status = 1 である全ての記事を取得する DB クエリを構築する
$query = Article::find()->where(['status' => 1]);
// 記事の総数を取得する (ただし、記事のデータはまだ取得しない)
$count = $query->count();
// 記事の総数を使ってページネーション・オブジェクトを作成する
$pagination = new Pagination(['totalCount' => $count]);
// ページネーションを使ってクエリの OFFSET と LIMIT を修正して記事を取得する
$articles = $query->offset($pagination->offset)
->limit($pagination->limit)
->all();
上記の例で返される記事のページ番号はどうなるでしょう? それは page
という名前のクエリ・パラメータがリクエストに含まれるかどうかによって決ります。
デフォルトでは、ページネーション・オブジェクトは page に page
パラメータの値をセットしようと試みます。
そして、このパラメータが提供されていない場合には、デフォルト値である 0 が使用されます。
ページネーションをサポートする UI 要素の構築を容易にするために、Yii はページ・ボタンのリストを表示する yii\widgets\LinkPager ウィジェットを提供しています。 これは、ユーザがページ・ボタンをクリックして、どのページを表示すべきかを指示することが出来るものです。 このウィジェットは、ページネーション・オブジェクトを受け取って、現在のページ番号が何であるかを知り、何個のページ・ボタンを表示すべきかを知ります。 例えば、
use yii\widgets\LinkPager;
echo LinkPager::widget([
'pagination' => $pagination,
]);
UI 要素を手動で構築したい場合は、yii\data\Pagination::createUrl() を使って、いろんなページに跳ぶ URL を作成することが出来ます。 このメソッドは page パラメータを要求し、その page パラメータを含む正しくフォーマットされた URL を作成します。 例えば、
// 作成される URL が使用すべきルートを指定する
// 指定しない場合は、現在リクエストされているルートが使用される
$pagination->route = 'article/index';
// /index.php?r=article%2Findex&page=100 を表示
echo $pagination->createUrl(100);
// /index.php?r=article%2Findex&page=101 を表示
echo $pagination->createUrl(101);
ヒント:
page
クエリ・パラメータの名前をカスタマイズするためには、ページネーション・オブジェクトを作成する際に pageParam プロパティを構成します。
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